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【その気になってしまうデザイン】
以上、11点の「大いなるひらめき+ちょっとした細工」のあった身近な商品を紹介したけれども、会場全体を回った感想として一番強く残ったものは、「色々工夫はされているのだけれど、思わず手に取って使いたくなるおしゃれなデザインというのが、特に服飾関係の商品にはまだまだ少な過ぎる」というものだった。そこまではまだこれからというところなのでしょう。けれども、商品を開発する上でそういった人間のソフト面を重要視するのは大切なことでしょう。ひきこもりがちな状況から少しでも、外に行きたいなとその気にさせてしまうのもデザインの力なのでは。そんな状況の中、見た目にまでこだわって開発された商品も、少数ながらあったのでご紹介する。
12. 木製の車いす
パッと見て、やさしい印象を受け、今までの機械っぽく重々しいイメージの車いすしか知らない私には、目からうろこ。材質次第でこんなに印象が変わるとは思わなかった。今まで電車で出会った時に感じていた威圧感がなく、周りにいる人の緊張感も和らぐでしょう。外見というのは、本人にも周囲の人間にも大事なんだ改めて感じた。
株式会社多田木工製作所 |
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13. ポップなデザイン
これはかわいいっと思った。こんなポップなデザインがあったら、子供は明るい気持ちになるし、自転車の延長のようでかっこいい。車いす業界はさすがに歴史が長いだけあって、一番進んでいる。日本人でも有名なインダストリアルデザイナーで川崎和男という人がいる。この人自身、事故で車いすで生活している方なのだが、車いすから人工心臓までデザインしたという驚きの人。ユニバーサルデザインの世界でも有名で、企業戦略としてのUDの講義もしている。そしてこの人のデザインはとてもおしゃれなのです。
車いすカバー ドイツ/サンライズメディカル社
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